企業情報
企業名 | 株式会社yutori |
事業内容 | アパレルブランドの企画・運営 |
ECサイト | https://yz-store.com/ |
ブランド数 | 約40 |
販売モデル | D2C |
EC開始時期 | 2018年 |
LOGILESS導入時期 | 2020年5月 |
EC物流における課題 | ・注文の増加に伴い出荷遅延などのリスクが高まっていた ・事業の成長を見据え、物流倉庫と受注管理システムの体制を整えたい |
LOGILESS導入後の効果 | ・取り扱いブランドが約40まで増えても出荷を問題なくこなせている ・事業の急成長や上場にもシステムを入れ替えることなく対応できる物流体制を確立できた ・予約注文やノベルティの同梱などに柔軟に対応でき、売上にも貢献 |
取材者プロフィール

サプライチェーン マネージャー
青嶋 剣士郎さま

サプライチェーン リーダー
兼崎 寛大さま
本記事はこんな方に役に立つ内容です
- 注文の増加に伴い出荷トラブルが課題となっているEC事業者の方
- 物流倉庫と連携して受注から出荷までの業務を効率化・自動化し、出荷業務における出荷遅延などをなくした事例です。
- 将来の事業の成長を見据えた物流体制を構築したいEC事業者の方
- システムをリプレイスすることなく、約40ブランド運営、売上高80億円、上場達成という成長を遂げた事例です。
- 同梱物や梱包などでブランドの特徴を出したいD2C事業者の方
- ブランドや購入金額に応じたノベルティの同梱など、LOGILESS導入による出荷関連の施策の具体例が紹介されています。
LOGILESSを導入するまで
若者のニーズに応えるD2Cアパレル企業
―はじめに、yutori様が手がける事業についてお教えください。
青嶋:弊社は現在、Z世代を中心とした若者向けのアパレルブランドを約40ブランド運営しており、ECサイトおよび店舗で販売しています。
創業は2018年4月で、もともとは「古着女子」というInstagramで古着を紹介するメディアとして始まりました。そこからオンラインで古着を販売するようになりましたが、古着は一度に販売できるのは一着のみという在庫の制約があります。この制約を克服するために、古着風デザインのオリジナル商品の販売を行うようになりました。最近では、アパレルに加えコスメ事業も展開しています。
―約40のブランドを運営されるなかで、ブランドに共通した特徴はあるでしょうか?
青嶋:ブランドの数が多いので一概には言えませんが、基本的な特徴としては、マスブランドというよりはニッチな領域で、熱量の高いお客様が多いという点があげられます。アパレル事業開始当初から、1ブランドで売上100億円を狙うというより、売上1億のブランドを100個作るという考えで、ブランドを運営してきました。
現在はグループ全体で売上高80億円という規模になっています。M&Aも積極的に行いながら成長を続け、2023年12月には上場を果たしました。
―事業が成長を続け、展開するブランドも増えていくなかで、ECサイトをどのような形で運営されてきましたか?
青嶋:もともとはブランドごとにECサイトを運用していましたが、2022年に統合モール「YZ STORE」をオープンしました。YZ STOREでは、Z世代向けのストリートブランド約20ブランドを取り扱っています。それ以外のブランドについては、現在も個別にECサイトを運営している形です。
注文増加で出荷遅延などのリスクが高まり、システム導入の検討を開始
―yutori様には2020年5月にLOGILESSを導入いただきました。それ以前の物流体制と、そこにどのような課題があったのか、お教えください。
兼崎:LOGILESS導入以前は、自社や製造取引先と連携をとって出荷業務を行っておりました。ただ、自社のリソースには限界があり、製造取引先もBtoCの出荷を専門としていたわけではないため、注文の増加に伴って出荷の体制を強化する必要性が出てきました。
青嶋:当時の出荷業務では、送り状の発行や出荷状況の確認・反映をECサイトごとに行う必要がありました。当時運営していたECサイトは3サイトで、今と比べると規模は小さいですが、運営は複雑化していました。そういった物流の課題解決のために、専門の倉庫と受注管理のためのシステムが必要だと考えはじめたのです。

LOGILESS導入の決め手
LOGILESSは自由度が高く使いやすかった
―受注管理システムの検討において、どのような点がLOGILESS導入の決め手となりましたか?
青嶋:いくつかの受注管理システムを比較検討するなかで、特にLOGILESSが優れていると感じたのが、ブランドや商材ごとに柔軟な対応ができる点です。
たとえば、ブランドごとのノベルティを同梱したい、商材に応じた細かな対応をしたい、特定の注文の出荷を早めたいといったイレギュラーな対応を、システムの決まったルールにあてはめるのは難しいと考えていました。しかし、LOGILESSなら対応できるだけでなく、マクロ機能やタグ機能を活用して自動化できます。そういった使いやすさが決め手になりました。
また、物流倉庫と直接コミュニケーションを取れることも、導入を後押しする大きな要素でしたね。ロジレスさんと物流倉庫さん、関係者のコミュニケーションがしっかり取れる体制で安心感がありました。
LOGILESS導入の物流倉庫なら連携もスムーズ
―物流のパートナーも同時に探されたとのことですが、そのなかでLOGILESSが役立ったところはありますか?
青嶋:当時は、信頼できる物流パートナーを見つけたいものの、創業したばかりで情報も伝手もない状況でした。そんななかで、ロジレスさんに紹介していただいたのが今のパートナーです。LOGILESSを導入している物流倉庫さんを紹介してもらったことで、新たなシステム連携が不要で、物流体制の構築がスムーズでした。

LOGILESS導入後の変化
LOGILESS導入で出荷が迅速になり、売上にも貢献
―LOGILESS導入により、出荷業務にはどのような変化がありましたか?
兼崎:LOGILESSを導入して、物流のパートナーの協力も得ながら物流の体制を整えたことで、出荷のミスや遅延が起きにくくなりました。
複数のECサイトを一括で連携でき、受注から出荷までをひとつのシステムで自動化できたことは大きいですね。たとえば、弊社のECサイトには基本的にShopifyを使用しており、LOGILESSへの受注データの取り込みから、入金・承認ステータスの連動、出荷実績の反映、在庫数の連動までAPI連携で自動化されました。
LOGILESSにアクセスすれば関係者全員が今の状況を確かめられるようになったことも、出荷業務を大きく効率化しました。そういった工数の削減により、弊社の物流のチームは3名という少数精鋭で、約40ブランドの運営を問題なくこなすことができています。
―LOGILESSを実際に利用してみて、特に役立つと感じる機能はありますか?
兼崎:商品を期日通りに届けるという点で、出荷予定日を設定して、それを一目で確認できることが役立っています。通常販売はもちろん予約販売についても、約40ブランドの出荷予定日の管理を簡単に行うことができています。
配送先住所の入力不備などを自動的に検知できるのも良い機能ですね。この機能のおかげで、出荷の流れを止めることなく、CSチームと連携してすぐにお客様に正しい住所を確認できるようになりました。
また、ブランドごとに○○円以上でノベルティ同梱などの対応が、マクロ機能により自動化できることも非常に役立っています。こういった機能は、工数を削減するだけでなく、売上にも貢献しています。
事業の急成長から上場へ、すべてLOGILESSで対応できた
―事業が急成長していき、上場を遂げるまでに、LOGILESSを導入していて良かったと感じる点はありましたか?
青嶋:普通は、売上規模が大きくなっていくなかで、物流のシステムや体制を変えなければいけないタイミングがあると思います。しかしLOGILESSを使っていると、そう思うことがありませんでした。
たとえば、売上が1億円から20億円に成長しても、そのままLOGILESSを使いつづけることができます。ロジレスさんに紹介してもらった物流のパートナーもとても協力的で、事業の成長を予測しながら、それを妨げない体制を早い段階で整えることができました。
上場に際しては、特にLOGILESSにデータがすべて残っていることが役立ちました。過去の売上についてそれが出荷されているという確かな記録があり、いわゆるトレーサビリティが確立されていたことは、非常に良かった点です。
物流の最重要事項、期日通りに届けることが事業の成長を支える
―物流業務の改善が、ブランドの成長に影響を与えたと感じるところはありますか?
兼崎:物流チームの最重要事項は、お客様に商品を期日通りに届けることです。出荷の遅延は、お客様のブランドへの信頼にネガティブな影響を与えます。LOGILESSを導入したことでそういったネガティブな影響をなくすことができたのは、ブランドがここまで成長できた要素のひとつだと思っています。
―最後に、今後のさらなるブランドの成長を考えたとき、LOGILESSに期待されることがあればお教えください。
青嶋:これまでの取り組みにより、ECの物流体制はかなり効率化されています。一方で、店舗への出荷など、多くの商品を一度に出荷するtoBの物流オペレーションは、まだ効率化の余地があると考えています。
コロナ禍が明けた2023年頃から、特にアパレル業界では、お客様が店舗に回帰する大きな流れがあります。それに合わせ、弊社ではこの2年間で約40店舗にまで店舗を拡大してきました。物流パートナーとも協力しながら、そういったtoBの出荷を行っていますが、LOGILESSをさらに活用して効率化を進めていきたいです。
