EC事業が成長し、楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピング、自社サイトと販売網の多角化が進むにつれ、バックヤード業務の負荷は爆発的に増加します。
「在庫更新が間に合わず売り越しが発生した」 「受注メールの対応だけで一日が終わってしまう」 「出荷ミスによるクレーム対応に追われている」
こうした課題を解決するのが「EC一元管理システム」です。本記事では、システム導入を検討しているご担当者様に向けて、基本機能から失敗しない選び方、そして業務を根本から変えるためのポイントを解説します。
EC一元管理システムとは?
EC一元管理システムとは、複数のECショップの情報を一箇所に集約し、一括管理するためのプラットフォームです。主に以下の4つの情報を同期・管理します。
- 受注管理: 各モールの注文情報を集約し、ステータス(入金待ち、出荷待ち等)を管理。
- 在庫管理: どこかのショップで商品が売れた際、全ショップの在庫数を自動で修正。
- 商品管理: 新商品の登録や価格変更を、各モールへ一括反映。
- 顧客管理: 購入履歴を統合し、カスタマーサポートの質を向上。
なぜ今、EC一元管理が必要なのか?
EC業界の競争が激化する中、単に出店数を増やすだけでは利益が残りづらくなっています。その理由は「見えないコスト(人件費と機会損失)」にあります。
「売り越し」と「在庫切れ」のジレンマ
手動管理では、夜間やセール時の急激な注文増に対応できません。売り越しはモール側からのペナルティや顧客満足度の低下を招き、逆にそれを恐れて在庫を少なめに設定すれば、売れるチャンスを逃すことになります。
バックヤード業務の限界
1件の注文に対して、メール送信、送り状発行、納品書作成、出荷完了メール送信…という作業を繰り返すと、注文件数に比例してスタッフの労働時間が伸び続けます。これは事業規模の拡大を阻む最大のボトルネックです。
導入によって得られる3つのメリット
- 人的ミスの撲滅と品質向上
- コピペや目視によるチェックを自動化することで、住所の入力ミスや商品間違いといった「ヒューマンエラー」をゼロに近づけます。
- 攻めの施策に使える時間の創出
- ルーティンワークから解放されることで、スタッフは「商品開発」や「マーケティング施策」といった、売上を上げるためのクリエイティブな業務に時間を割けるようになります。
- 配送スピードの短縮
- 受注から出荷までのリードタイムを短縮できます。「注文してからすぐに届く」という体験は、リピート率向上に直結します。
失敗しないEC一元管理システムの選び方:チェックリスト
システム選びで後悔しないために、以下のチェックリストを参考にしてみてください。
- 対応チャネル:今出店しているモール・カートはすべて連携可能か。
- 将来性:出荷件数が増えたり、連携先が増えても使うことができそうか。
- リアルタイム性:在庫更新の頻度はどれくらいか。(10分程度が望ましい)
- 物流連携:受注データが倉庫側へ自動で連携する仕組みがあるか。
- 複数倉庫:拠点が複数になった場合、最適な倉庫から自動で振り分け出荷できるか。
- 操作性:誰でも使うことができるような操作性か。また、出荷件数が増えても動作が重くならないか?
- サポート体制:困った時にすぐに解決できるか。また、導入前からサポート体制がしっかりしているか。
特に重要なのは、「自社や委託先倉庫など物流とのシームレスな連携」です。管理画面上の処理が楽になっても、倉庫への出荷指示が手動のままでは、真の自動化とは言えません。
EC一元管理システムの注意点
EC一元管理システムの名目で様々なシステムがありますが、ECモールやカートの受注管理機能には長けているものの、その先の「出荷」は別物として扱われる場合があります。その結果、受注管理システムと倉庫側が使う倉庫管理システムの間でデータをやり取りする手間が生じる可能性があります。
また、両システムがAPIなどで連携していたとしても、別々の企業のシステムを連携する場合は、データの一部がうまく突合されないという場合もあり、この辺りもシステムを選ぶ際には注意が必要です。(A社の受注管理システムがアップデートしたものの、B社の倉庫管理システムが対応できておらず、一部のデータ項目が連携できない…など)
ホームページや口コミ、営業資料では各システムの機能の差がわかりづらい場合が多く、自社に合っているシステムを探すのは困難です。自社に近い企業の導入事例があるかの確認も大事ですが、実際にトライアルなどでシステムを使ってみることをおすすめします。
運用負荷をゼロに近づける、”LOGILESS”を活用する選択肢
EC一元管理システムである”LOGILESS”は「受注管理システム」「在庫管理システム」「倉庫管理システム」が一体になっており、上記のようなシステム間でのやり取りが生じず、ECサイトやモールでの受注情報をもとに、倉庫側への出荷指示、出荷後のメール送付などECの受注から出荷までのプロセスを自動化することができます。
- 攻めの物流を実現する強力な自動化機能
- 「2回目の注文にはおまけをつける」などLTVを高める施策への応用が可能です。
- 「届け先によって配送方法や出荷元の倉庫を変える」など物流コスト改善や配送リードタイム短縮に繋がる仕組みも自動化できます。
- 誰でも使える操作性と安心のサポート体制
- 「画面が見やすく、操作がしやすい」と評価いただくことが多いです。
- 導入前から1ヶ月間無料でテストアカウントの利用ができ、検証してから契約をするか決めることができます。
- 導入前から専任のコンサルタントが伴走してサポートし、導入後も電話やAIチャットですぐに解決できます。
6. よくある質問(FAQ)
Q. EC一元管理システムを導入する最適なタイミングは?
A. 月間の受注件数が300〜500件を超えると、事務作業に割く時間の割合が高くなり、導入を検討する方が多い印象です。また、多店舗展開を開始するタイミングや倉庫を大きくするタイミングで一緒に検討されることも多いです。
Q. 導入にはどのくらいの準備期間が必要ですか?
A. 一般的には1ヶ月〜3ヶ月程度です。モールとのAPI連携設定や、運用フローの確認などを行います。ロジレスでは、専任コンサルタントが伴走してスムーズな立ち上げを支援します。
Q. 無料ツールと有料システムの違いは?
A. 主に「在庫連携のスピード」「対応モールの数」「サポートの有無」が異なります。EC事業の立ち上げ初期など出荷件数がそこまで多くないようであれば、Excelなどで管理することも充分可能です。ただ、事業成長を目指す場合は業務効率化やミスの抑制以外の側面でも、上場を見据えた体制構築の一環として有料システムが必要になる場合もあります。
まとめ:管理する時間を、成長する時間へ
EC一元管理システムの導入は、単なる効率化ツールではなく、あなたのショップを次のステージへ引き上げるための戦略的投資です。事務作業の速さではなく、「いかに顧客に価値を提供するか」が勝負を分ける時代、自動化できる部分はシステムに任せ、売上を上げるためのマーケティングなどにより多くのリソースを割くことが推奨です。


