越境ECの展開を検討する際、言語や決済、税務、物流などの課題に直面していませんか。本記事ではGlobal-eの機能、メリット、導入事例、Shopifyとの連携についてわかりやすく解説します。
この記事の結論
- Global-eは越境ECの決済・税務・物流を一元管理する包括的なソリューションである
- 世界200以上の市場に対応し100以上の通貨と150以上の決済方法をサポートする
- 日本企業の導入実績も増加しておりアパレルからエンタメ業界まで幅広く活用されている
Global-eとは
越境EC支援プラットフォームの概要について解説します。 ここではGlobal-eの基本情報、主要機能、Shopifyとの連携について見ていきましょう。これらを理解することで、Global-eの全体像を把握できます。
Global-eの基本情報
Global-eは、2013年にイスラエルで設立された越境EC支援のプラットフォームを提供する企業です。 2021年5月にナスダック証券取引所に上場し、同年6月には日本法人を開設しました。現在は世界30以上の拠点で展開し、1,000社以上の企業が導入している実績があります。
越境ECでは通常、国ごとに異なる決済システムの導入や複雑な税務処理への対応が求められます。加えて物流パートナーとの個別契約など、多くの課題を解決する必要があるのが現状です。Global-eは、これらの要素を一つのプラットフォームで統合的に管理できる点が大きな特徴といえます。
越境ECを支援する機能
Global-eは、Merchant of Record(MoR)として、越境取引で発生する法的・税務的な責任や請求業務を一括して担います。企業に代わって越境EC関連の規制に対応し、販売先の国々での法的義務を実施する仕組みです。ShopifyやMagentoなどの主要なECプラットフォームとシームレスに連携できます。
既存のECサイトに大幅な変更を加えることなくグローバル展開のための機能を追加できる設計となっており、企業の規模やニーズに応じたカスタマイズも可能です。 中堅企業から大企業まで柔軟に対応できる点が強みといえるでしょう。
Shopifyとの連携
Shopify公式の国際販売ツールである「Managed Markets」には、Global-eが組み込まれています。 ただし、Managed Marketsは現在アメリカ本土に拠点を置く事業者のみに提供されているため、日本の事業者はGlobal-eと個別に契約する必要があります。2025年5月には、ShopifyとGlobal-eが3年間の戦略的パートナーシップ契約を発表しました。
Shopifyプラットフォームでの国際的なD2C電子商取引を強化する体制を構築し、両社の連携がさらに深まっています。Shopifyユーザーにとって、Global-eは越境EC展開の有力な選択肢となっています。システム連携により、スムーズな国際販売が可能になるでしょう。
Global-eが解決する課題
越境ECで直面する具体的な問題について解説します。ここでは決済方法、税金の計算、国際配送という3つの観点から見ていきましょう。
100以上の通貨と150以上の決済方法
Global-eを導入することで、100以上の通貨と150以上の決済方法に対応できるようになります。 国によって販売価格を調整したり、動的に為替レートを反映させる、SKUごとに固定価格を設定するなど、柔軟な通貨設定が可能です。
世界にはローカルな決済手段がメジャーな国も多く、各国で好まれる決済方法は大きく異なります。 Global-eなら世界中のローカルな決済手段を一括で導入できるため、各国・地域の顧客が慣れ親しんだ決済手段での購入が可能です。新たな決済方法の利用にあたり、各ペイメントサービスと個別に契約する必要はなく、決済手数料も不要になります。
関税と税金を自動で計算する
外国の顧客に商品を販売・発送する際、一定金額以上の商品には個人輸入でも関税がかかります。税率は相手国と品目によって異なり、関税も1種類ではありません。関税のほかにも税金が発生することがあります。
中国では行郵税(郵便税)や越境EC総合税、EUではVAT(付加価値税)等が存在しており、これらの税の計算は非常に複雑であるため、チェックアウト時に税込みでの会計ができていないと、受け取り時に顧客が別途支払うことになるのです。 Global-eを導入していれば、チェックアウト画面で目的地の国の適切な関税と税金を自動計算できます。
購入時にまとめて支払ってもらうことが可能となり、配達時の追加請求によるトラブルを回避できます。 商品情報からHSコードを算出する機能を備え、関税・税金を商品価格に含めるか外税にするか、配達時に徴収するかなどを国ごとに細かく調整が可能です。複雑な税務処理を自動化することで、事業者の負担を大幅に軽減できるでしょう。
国際配送と返品を一元管理する
Global-eでは、スタンダード配送とエクスプレス配送の2つの主要な配送オプションを提供しています。スタンダード配送はコストを抑えた配送方法で、注文から到着まで数日から数週間かかる場合が多くあります。一方、エクスプレス配送は追加の費用がかかる場合がありますが、数日以内に商品を届けることが可能です。
国際物流会社のDHLと提携しているため、配送だけでなく返品もDHLで一本化することができます。Global-eの主要株主にDHLが含まれており、専用の優待レートを適用することで海外配送コストを削減可能です。エクスプレス配送や自宅以外の場所への配達、代金引換など様々な配送オプションに対応しており、シンプルで追跡可能な返品プロセスも整備されています。
Global-eを使うメリット
導入により得られる具体的な利点について解説します。 ここではチェックアウト画面の多言語対応、送料無料施策の効果、データ提供という3つの観点から見ていきましょう。
チェックアウト画面を30言語に対応できる
Global-eを導入したShopifyのECサイトは、チェックアウト画面を30以上の言語に対応させられます。 決済の段階で不明な点があると、カゴ落ちにつながる可能性が高まるでしょう。わかりやすいフローや案内を用意しておくことは必須といえるでしょう。
チェックアウト画面を多言語に対応させておくことで、各国の顧客に適したショッピング体験を提供できます。Global-eが提供するD2C越境EC向けサービスは、世界の200以上の国と地域においてローカライズされたショッピング体験を提供しており、現地の言語や通貨、決済手段に対応しています。言語の壁を取り除くことで、購入完了率の向上が期待できるでしょう。
送料無料でコンバージョン率が上がる
海外ECにおいても「一定金額以上で送料無料」は高い効果を発揮します。とりわけAmazonの翌日無料配送に慣れているアメリカでは、送料無料を導入するとコンバージョン率が約1.57倍に上昇するというデータがあります。 オーストラリアでは1.7倍になるなど、地域差はあるものの顕著な成果が確認できる施策といえるでしょう。
送料無料の基準額を適切に設定することで、平均注文単価の向上も期待できます。Global-eでは国ごとに送料設定を柔軟に調整できるため、市場特性に応じた戦略を立てられます。 購入意欲を高める施策として、送料無料キャンペーンは有効な手段となるでしょう。
1,000社以上の実績から得た知見を活用できる
Global-eの強みは、機能面だけでなく、1,000社以上の導入実績で培った知見やデータに基づき、国ごとの関税や送料の設定などをアドバイスできる点です。 多くの競合サービスが特定の機能に特化しているのに対し、Global-eは決済、税務、物流、コンプライアンス、マーケティングなど、越境ECに必要なあらゆる要素を一つのプラットフォームで提供しています。 包括的なデータ分析ツールも提供しており、各市場でのパフォーマンス、顧客行動、コンバージョン率など、詳細なインサイトを得ることが可能です。
日本企業の導入例
実際の活用事例について解説します。ここではアパレル業界、エンタメ業界、国内プラットフォームとの連携という3つの観点から見ていきましょう。 これらの事例を理解することで、自社での活用イメージを描けます。
アパレル業界での活用
2025年2月のイベントでは、実際に自社ECでGlobal-eを利用している事業者が登壇しました。ビジネスシャツブランドの鎌倉シャツ、ウォッチブランドのKUOE、キャラクターグッズメーカーの株式会社グレイ・パーカー・サービスの3社が、導入後の成果について共有しています。 どの事業者も、支払いや配送作業にかかる業務コストが改善されたと報告しています。
複雑な関税を自動計算し商品代金と一括で支払えるようになったこと、不正注文や住所入力ミスのアラート設定による配送リスクの軽減、決済手段が拡大したことによる購入機会の増加などが具体的な利点として挙げられました。アパレル商品は海外需要が高く、越境ECとの相性が良い分野です。
エンタメ業界での展開
海外で日本文化への需要が高まっていることを受け、エンタメ系の企業も多く導入が進んでいます。 VTuberグッズを海外14カ国へ販売する企業や、著名テーマパークのグッズ販売を地域ごとに拠点を置いて行うケースなどがあります。
日本のアニメやゲーム、キャラクター商品は世界中で人気があり、越境ECの成長が期待できる分野です。Global-eを活用することで、複雑な国際取引を効率化し、ファンへ直接商品を届けることができます。エンタメ業界での越境EC展開は、今後さらに加速するでしょう。
国内プラットフォームとの連携
株式会社ecbeingは、2022年8月に日本のECプラットフォームとして初めてGlobal-eとパートナーシップを締結しました。Global-eは、世界で導入実績のあるD2C越境ECサービスで、米国、欧州、アジア各国で、Adidas、Marc Jacobs、Skims、Hugo Boss、Reformation、Versace、Marks and Spencerをはじめとするグローバルブランドに利用されています。株式会社オープンロジは、2023年2月に日本の物流プラットフォームとしては初めてGlobal-eとパートナーシップを締結しました。
システム連携を実現し、オープンロジへの出荷指示についても、APIによるデータ連携で自動化が可能となりました。ShopifyとGlobal-e、オープンロジのシステム連携により、購入者が決済後、自動的に出庫指示が作成され、倉庫での梱包、海外発送の手配が完了します。国内プラットフォームとの連携により、日本企業にとって使いやすい環境が整備されつつあります。
越境EC市場の現状
市場動向と将来性について解説します。ここではアメリカ市場の関税変化、越境ECのニーズ拡大という2つの観点から見ていきましょう。
アメリカ市場の関税が変わる
関税率は、各国の経済情勢によって改正されていきます。最近特に注目されているのがアメリカです。 アメリカは日本の輸出相手国の中でもトップの約20%を占めており、アメリカ向けの越境ECビジネスを展開している企業も多い状況です。
関税率の変更は、商品価格や利益率に直接影響を与えるため、迅速な対応が求められます。Global-eでは、このような関税率の改正にもスピーディに対応できるため、事業者と顧客の双方においてトラブルのない取引を実現することが可能です。税務面での柔軟な対応力は、越境ECの安定運営に欠かせない要素となっています。
拡大する越境ECのニーズ
越境ECとは、国境を越えて商品やサービスをECサイトで販売し、異なる国々の消費者に届けるビジネスモデルです。コロナ明けから国内のインバウンド市場が劇的に成長していることがよく話題に上がりますが、越境ECでも同様に海外の消費者が日本の製品を買い求めやすくなっています。日本の製品を売り込みやすい国・地域に向けてマーケティングしていくことで、越境ECの売上を伸ばしやすい状況であるといえるでしょう。
Global-eを利用すれば小規模なスタートアップから大手企業まで、幅広い規模のビジネスが国際市場での競争力を伸ばすことができるようになります。 越境ECの参入障壁が下がることで、より多くの企業がグローバル展開を目指せます。 市場の拡大に伴い、Global-eのようなプラットフォームの重要性は高まるでしょう。
まとめ
Global-eは、越境ECにおける決済・税務・物流の課題を統合的に解決するプラットフォームとして、国際展開を目指す企業にとって強力なツールです。200以上の市場への対応、150種類以上の決済方法、多様な通貨対応、税務計算の自動化、物流の一元管理など、国際取引のあらゆる側面をカバーするソリューションを提供することで、企業の国際展開をサポートします。日本企業の導入実績も増加しており、アパレル業界からエンタメ業界まで幅広い業種で活用されています。1,000社以上の実績で培った知見とデータを活用することで、越境ECの成功確率を高められるでしょう。
