「誰かしかできない」から「誰でもできる」オペレーションへ進化し、働き方改革を実現

株式会社ほんぢ園
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企業情報 

企業名株式会社ほんぢ園
事業内容日本茶・抹茶・健康茶・茶道具・和洋雑貨・菓子の小売
ECサイトhttps://www.honjien.co.jp/
お取り扱い商材日本茶 10% 
健康茶 60%  
茶道具・雑貨 20%
その他・海外卸など 10%
販売方法自社サイト、Amazon、楽天市場
月間出荷件数約1万件(FBA除く)
EC開始時期1995年2月
LOGILESS導入時期2019年8月
EC物流における課題①アナログな受注処理による業務負荷
毎日紙印刷、目視での情報確認など、受注処理だけで毎日4時間近くかかり、残業時間が増加。従業員の負担になっていた。

②庫内業務の生産性が低い
JANコード管理等もしておらず、庫内業務の生産性も低い。セール時は外注倉庫の出荷業務がパンクし、出荷が1〜2日遅れていた。また茶道具は見分けが難しく職人がピッキングするなど属人性の高いオペレーション。
LOGILESS導入後の成果①受注処理は90%が自動化され、1時間程度で完結。従業員の日々の勤務時間も1時間短縮でき、年間休日も増加するなど、従業員の負担も大幅に軽減された。

②独自のRPA機能の活用、SKUごとにJANコード管理など、庫内でも「誰でも同じ水準で業務ができる」ようなオペレーションを構築できた。庫内業務の生産性が向上し、一日の出荷可能件数は約2倍に。

取材者プロフィール

株式会社ほんぢ園 執行役員 清水 大輔氏

株式会社ほんぢ園

執行役員
清水 大輔氏

1971年生まれ三重県出身。海外留学後、輸入アパレル・雑貨卸販売会社に入社し、仕入れ・店舗運営管理などを経た後、EC黎明期の1998年WEB制作会社に転職し、法人向けのEコマース立ち上げから運営に携わる。日本の誇れる文化の1つでもあり、健康面にも優れた特性を持つお茶に魅力を感じ、2015年にほんぢ園に転職、前職の経験を活かしてECサイトの運営と商品開発に従事。売上だけでなく、4C分析を軸とした企業価値の創造と、社員のワークライフバランスを重視した新しい中小企業の仕組みの構築に取り組んでいる。

株式会社ほんぢ園 受注カスタマーサポート チーフ 金出地 健二氏

株式会社ほんぢ園

受注カスタマーサポート チーフ
金出地 健二氏

1980年生まれ岡山県出身。高校卒業後、電機メーカに就職しシステムエンジニアとして電気設計を担当。2019年にほんぢ園に転職。受注担当を務める傍ら、前職での経験を活かしLOGILESSをはじめとした各種ツールの導入、維持・管理を行い業務の効率化に貢献。現在は受注チーフとして活躍中。

LOGILESSを導入するまで

EC事業のスタートは1995年。パソコンの普及より早かった

清水:ほんぢ園は1931年創業の、岡山市にあるお茶・茶道具の専門店です。市内中心部の商店街に店舗を構え(※)、長く地域の人たちに親しまれていましたが、90年代に入って商店街の人通りが減っていくことを危惧した先代の社長が、「これからはインターネット販売の時代だ」と1995年にEC事業を開始。当時はまだ家庭にパソコンが普及していなかった時代で、注文はファックスで受けていたそうです。その先見の明によって、販路は全国へ。今ではECサイト4店舗を運営し、Amazon.comなど海外にも事業が広がっています。
※コロナ禍の影響で店舗は2020年秋に閉店

受注は紙出力して1件ずつ目視で確認。非効率な業務で、残業や休日出勤が増加

金出地:早くからEC事業へ乗り出したが故に、当時は世の中的にEC物流のナレッジも少なく、苦労しました。受注管理・在庫管理に複数のシステムを併用していたり、システム間のデータの受け渡しに手入力が発生するなど、オペレーションは複雑化。システムが増えれば覚えることもたくさんありますし、非効率なアナログ業務もたくさん残っていました。例えば、受注処理では毎朝、約500件の注文情報を印刷して、紙で1件1件確認。住所や電話番号など、抜け漏れがないか確認した上で、各注文の配送方法をシステムに入力。それだけでアッという間に半日が終わっていました。

清水:アナログで非効率なオペレーションは、社員にとって大きな負担でした。たくさん売れるほど残業が増えて、休日も取れなくなる。特にセール時は対応が追い付かず、出荷が遅れたり、ミスが増えたりして、お客さまにもご迷惑をかける。特に顧客サポートの担当者の精神的な負担は、相当大きかったと思います。受注が増えても、社員が喜べないのは会社として不健全ですよね。シンプルなオペレーションの構築には、生産性を高めて働き方改革にもつなげたいという思いがありました。

見分けの難しい茶道具は、職人技でピッキング。庫内業務の生産性も低く、出荷遅延が発生

金出地:またアナログ業務の問題は倉庫でも発生していました。当時からお茶の出荷作業は外部の倉庫会社に委託していたのですが、倉庫会社の人的リソースも不足していて…。セール時は1日の受注件数が倉庫会社の出荷対応可能件数を上回ってしまい、出荷が滞ってしまうことも問題になっていました。事業の安定成長のためには庫内業務の生産性を高め、出荷効率を上げていくことが必要だと感じていました。

清水:また茶道具は自社倉庫から出荷していたのですが、「作業の属人化」による非効率も大きな課題でした。特に茶道具は商品の見分けが付きにくくて、知識の深い職人じゃないとピッキング作業ができない状態でした。当時はJANコード管理もできていなかったので、商品の写真を撮って、棚に貼って目視で確認していたんですけど、素人では全く見分けがつかない。職人に負担がかかってしまいますし、本来取り組みたい仕事に取り組めない状態になっていました。「誰かしかできない」ではなく、「誰でもできる」オペレーションを構築して、事業の安定化を図りたいと考えていました。

LOGILESS導入を決めた理由

オペレーションの標準化を簡単に実現でき、社員の負荷軽減をできるイメージが湧いた

清水:岡山のEC事業者が数十社集う会(岡山EC情報交換会)があり、その繋がりからLOGILESSを知りました。LOGILESSはOMS(受注管理システム)とWMS(倉庫管理システム)の一体型システムでどちら側の機能も十分に備えており、受注~出荷までの事務作業はほぼ自動化できるイメージがつきました。またUIがシンプルで誰でも使いやすそう、複数倉庫の出荷もスムーズに実現できるという良さも。「LOGILESSを導入したら、今抱えている問題が解決できるのでは」と思いました。

特に興味を持ったのは、各社で設定できる独自のRPA機能。特定の条件を満たした注文の場合に、配送方法を振り分けたり、別の倉庫へ出荷指示を出したりできます。今まで受注担当が目視と手作業で行っていた複雑で手間のかかる業務をシステムで自動化できます。基本機能はシンプルでありながら、自分たちの業務プロセスに合わせてオペレーションをカスタマイズ可能なところが気に入りました。

LOGILESSを導入してから

紙中心のアナログオペレーションから脱却。受注処理の業務は4時間→1時間に

金出地:受注管理のオペレーションは大幅に改善が進みました。毎回紙に出力して、目視で行っていた配送方法の振り分けも独自のRPA機能で自動処理設定を実施。作業自体が不要になり、昼過ぎまでかかっていた受注処理業務が、午前10時には終わるようになりました。

清水:業務の標準化を行えたことは、経営の安定化を図れたことに加え、人手不足の対策にもつながっています。例えば、業務が増えて人員の補強が必要になったとき、これまではECショップ運営の業務経験者を募集する必要がありました。でも人材不足の地方で経験者を探すのは本当に大変なんです。それがLOGILESSなら誰でもすぐに覚えられるので、未経験でも問題ない。これは地方企業にとってすごく大きなメリットです。

1点モノの茶道具もスムーズに出荷可能に。オペレーションが標準化され、庫内業務の生産性も大幅向上

金出地:LOGILESSを使い始めたことで、庫内業務の生産性も大幅に上がりました。まず、1点モノの茶道具も含めて全商品を、SKUごとにJANコードで管理できるようなったことで、職人しか見極めができなかった茶道具のピッキングも、ハンディターミナル1本あれば誰でも可能になりました。

清水:注文が入ると、外注倉庫さんにもほぼリアルタイムで情報が届くので、以前のように私たちからの出荷指示を待つことなく、すぐに出荷作業に取り掛かることができるようになりました。以前は一日の出荷可能件数が500件でしたが、導入後は1,000件と2倍に増加。私たちがうれしいのはもちろん、外注倉庫さんも「LOGILESSを入れてずいぶん楽になった」と喜んでいます。

半分の人数で対応しても、余力十分。休日もしっかり取れて、テレワークも浸透

清水:働き方改革もすごく進みました。LOGILESSを導入する前は20名の社員で取り組んでも残業が続いていましたが、今は10名の社員で対応して、まだ余力があるくらい。むしろ、受注担当が発注や在庫管理も行うなど、業務の幅を広げるくらいです。

金出地:勤務時間も8時間から7時間へ短縮し、年間休日も多くとれるようになりました。また2020年4月からはテレワークを進めていますが、LOGILESSはクラウド環境で動くので、受注処理や在庫管理など、倉庫内での出荷作業以外は全社員自宅で対応可能。働き方の選択肢が広がりました。

清水:時間ができたことで、新商品開発にも手が回るようになりました。最近ではパッケージデザインの見直しや、ホームページのリニューアルなど、ブランディング強化を図っています。販売後の出荷業務の不安なく、販売施策に全力を注ぐことができているので、売上は年20%くらいのペースで伸び続けています。コロナ禍の影響で、残念ながら実店舗は閉じてしまいましたが、これからもEC事業で、ほんぢ園の歴史を守り続けていきたいと思います。

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