企業情報
企業名 | 株式会社TAT |
事業内容 | ネイル材料の卸、通販、商品開発 |
ECサイト | NAILS INC https://nailsinc.jp/ |
お取り扱い商材 | ネイル用品など |
販売モデル | BtoC |
月間出荷件数 | 1,000~2,000件 |
EC開始時期 | 2015年4月 |
LOGILESS導入時期 | 2022年2月 |
EC物流における課題 | ①非効率なオペレーション EC・実店舗・倉庫のシステムが分断されていたため、データ連携の際に手作業が発生。人員1名が毎日3〜4時間かけて対応していた。 ②個人顧客向けの基本的な施策が打てない メインのネイル用品卸業のためにBtoB用に開発した物流システムを利用していたため、ギフトラッピングなどBtoC(個人購入者)向けのサービスに対応できていなかった。 |
LOGILESS導入後の成果 | ①受注業務を自動化、さらに配送コストカットも実現 EC・実店舗・倉庫間のシステムが連携したことで、データを一元化。受注業務に人手がかからなくなった。さらに、RPA機能により最適な配送方法を自動で振り分けできるようになったことで、配送費年間400万円カットを実現。 ②ギフトラッピング要望も受け付けられるようになった BtoCに最適な物流システムを構築できたことで、ニーズの高かったギフトラッピングに対応できた。 |
取材者プロフィール
株式会社TAT
ネイルズインク事業部 部長
宅野 恭平 氏
2002年 株式会社TAT入社。同社にて当時日本総輸入代理店を行っていたニューヨークのネイルケアブランドの販売責任者のちにネイルサロンおよびネイルスクール向けの法人営業職へ。2010年 同社の東日本営業エリアの新規開拓のため営業部門責任者として従事。上記とともに同社内で2015年より現在運営しているロンドンのファッションネイルブランド「NAILS INC」を事業責任者として日本にローンチ。現在に至る。
LOGILESSを導入するまで
ネイル業界の価値を高めるためにスタートした「NAILS INC」
私たちTATはネイリストをはじめ、ネイルサロンやスクールなどにネイル用品を販売している専門商社です。1998年の創業から「ネイルを通じてたくさんの人を幸せにしたい」という思いのもと、ネイル業界と共に成長してきました。
より多くの方にネイルの魅力を発信し、ネイル業界そのものの価値を高めたいという想いで、TAT初のB2C事業として2015年に立ち上げたのが「NAILS INC(ネイルズインク)」です。ロンドン発のファッションネイルブランドである「NAILS INC」の正規販売店として、フラッグショップである表参道店をはじめ、若者で賑わう商業施設に出店。8つの実店舗とECショップを展開しています。
ECと店舗が分かれていたためオペレーションが非効率
「NAILS INC」は社内ベンチャー的に立ち上げたこともあり、今回LOGILESSを導入するまで、システム周りについては何も手を付けていませんでした。BtoB向けの環境が整っているので、その中から使えるシステムを組み合わせて運用していました。そのため、ECと実店舗それぞれで顧客情報や在庫情報を管理されていましたし、外注倉庫さんに出荷をお願いする際は、毎回受注データをCSVに書き出して、WMS(倉庫管理システム)に読み込ませるという手作業が発生。受注・出荷作業のために人員1名を配置し、毎日3~4時間かけて対応している状況でした。
BtoB向けシステムの代用ではBtoCのニーズに対応しきれない
また法人(個人事業主も含む)運営のネイルサロン向けにネイル用品を販売するためのBtoBのシステムでは、一般のお客様のニーズにきめ細やかに対応できないことも課題に感じていました。例えば、「NAILS INC」ではギフトとして購入されるお客様も多くいらっしゃるのですが、BtoBのシステムには、当然ながら「通常の包装紙とギフトの包装紙を変える」とか「注文者と送付先住所が異なる場合に納品書を入れない」等のカスタマイズ機能は備わっていません。また、細かいところですが、納品書の形態も業務的で、商品が届いたときの特別感を演出することができませんでした。
ECショップでの顧客体験に課題を感じつつも、「NAILS INC」では実店舗で施術サービスが受けられることもあり、お客様の多くがオフラインで購入されていたため、しばらく様子を見ていたのですが、2020年以降、コロナ禍の影響でECショップでの注文が急激に増加。まさにOMOの到来を肌で感じ、オンラインとオフラインを融合したシステムを1からつくることにしました。
LOGILESS導入を決めた理由
外部システムとの連動性と、スムーズな在庫配送管理が可能
OMOに対応する上で、まず重要視したのはシステム連携。ECサイトのカートシステムから、実店舗のPOSシステム、バックオフィスのOMS(受注管理システム)、WMS(倉庫管理システム)まで一連をシームレスにつなぐことで、データの一元管理をしたいという思いがありました。LOGILESSは、さまざまな外部システムとの連携に対応している点が魅力的でした。
そして、最大の決め手になったのは「倉庫別発注点(倉庫ごとに発注点を管理できる)」と「倉庫間移動(他の倉庫へ在庫を付け替えることができる)」の機能を備えていたこと。「NAILS INC」では8店舗と1倉庫で、それぞれ在庫を管理しています。店舗によって売れる商品やカラーが大きく異なるため、在庫量にばらつきが出ます。
これまで使っていたシステムでは、各店舗で一つひとつの商品に発注点を設定し、発注点を下回った商品を自動で発注したり、店舗間の在庫移動をスムーズに行う機能が備わっていました。システムを刷新しても、同様のオペレーションを実現したいと考えていたのですが、当時これらの機能を唯一備えていたのがLOGILESSだったのです。
LOGILESSを導入してから
システムがシームレスにつながり、受注業務を無人化。物流経費400万円カットを実現
すべてのシステムがつながったことで、バックオフィスの業務負荷は軽減されました。各拠点の在庫状況はLOGILESS上でリアルタイムに確認できますし、オペレーションでいうと、注文が入ると外部倉庫へ自動で出荷指示がいくので、基本的には受注業務に人手が一切かからなくなりました。
また、RPA機能を使えば、商品の種類や点数に応じて最適な出荷方法を自動で振り分けてくれる点も助かります。これまでと比較して、物流経費を年間400~500万円削減することができました。
念願のギフトラッピングに対応。顧客体験のさらなる向上を図りたい
ニーズが高かったギフトラッピングにもようやく対応できるようになり、お客様からの「ギフトラッピングできないの残念」というつぶやきがTwitter上から完全に消えて、ホッとしています(笑)。ただ、ギフトラッピングはできて当たり前。マイナスをゼロに戻しただけだと思っているので、マーケティング施策ついては、まさにこれからですね。直近は、会員アプリを開発しようと考えています。施術サービスの予約を取れるようにしたり、お客様の購入履歴などのデータをもとに、一人ひとりに合わせて梱包を変えるということもできるかもしれません。きっと、LOGILESSにはもっといろいろな活用方法があると思いますし、今後機能も拡大していくでしょうから、これからが楽しみです。