EC一元管理システムの選び方と連携ポイント

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EC一元管理システムとは、楽天・Amazonなどの複数モールや自社サイトの受注・在庫・出荷を1つの画面で管理し、注文処理を自動化する仕組みです。複数モール運営で受注管理やネットショップの在庫管理が煩雑になり、EC業務効率化を進めたいEC事業責任者・運営マネージャーに向いています。本記事では、システムの選び方の判断基準と、楽天・Amazon連携をはじめとする連携ポイントを一気通貫で解説します。

もくじ

EC一元管理システムとは?

EC一元管理システムは、複数の販売チャネルにまたがる「受注管理」「在庫管理」「出荷」を1つに統合し、手作業を自動化するためのシステムです。モールごと・サイトごとにバラバラだった注文や在庫を一元化し、どこで売れても在庫数とステータスが常に揃った状態を保ちます。

単体の受注管理システム(OMS)やネットショップの在庫管理ツールが特定の業務だけを担うのに対し、一元管理システムは受注から出荷までを横断的につなぐのが特徴です。販路や出荷件数が増え、人手やExcelでは正確性とスピードを保てなくなったタイミングで必要になります。

なぜEC一元管理システムが必要なのか

国内の物販系BtoC-EC市場は2024年に約15.2兆円(前年比3.7%増)、EC化率は9.78%まで拡大しています(出典:経済産業省「令和6年度 電子商取引に関する市場調査」)。販路を楽天・Amazon・自社サイトと広げるほど扱う注文・在庫は増え、チャネルごとの個別管理では業務が回らなくなります。

複数モール運営でよく起きる課題は次の通りです。

  • 在庫ズレ・売り越し:モールごとに在庫を別管理すると、同じ在庫を二重に売ってしまう。ネットショップの在庫管理の最大のリスク。
  • 受注処理の手作業とミス:各モールの管理画面にログインし、注文情報を抽出し、Excelなどで加工して出荷指示を作成すると時間がかかるだけでなく、ミスによる誤出荷のリスクも高まる。
  • 属人化:注文処理や出荷の手順を特定の担当者しか把握しておらず、誰かが休むと業務が止まってしまう。
  • 繁忙期にキャパが足りない:セールや大型連休で注文が急増すると処理が追いつかず、売れるほどバックヤード業務も増えてしまう。

これらは在庫を数えるだけ、受注を取り込むだけでは解決せず、受注・在庫・出荷を横断してつなぐ仕組みが必要になります。

EC一元管理システムの主な機能

選定前に、どの業務までカバーするのかを機能単位で押さえておきます。

機能役割
受注管理(OMS)複数モール・カートの注文を自動取込・一元化し、出荷指示まで行う(注文処理の自動化の中核)
在庫管理全チャネルの在庫をリアルタイムに同期し、売り越し・欠品を防ぐ
出荷・倉庫管理(WMS)受注管理システムから出荷指示を受け取り、それを元にピッキング・検品・送り状発行など倉庫内作業を効率よく行うために必要
外部連携モール・カート・基幹システム・配送会社・物流倉庫とデータを連携

注目すべきは、受注管理(OMS)と倉庫管理(WMS)を別々の会社のシステムで揃えると、CSVによる手作業での連携が必要だったり、システム連携をしていても、データの不一致や一部のデータが紐づかないなどの問題が発生する場合があります。受注処理(OMS)と出荷作業(WMS)までを1つのシステムで扱えると、この「システム間の隙間の手作業」をなくすことができます

失敗しないEC一元管理システムの選び方

選定時は、次の基準を自社の状況に当てはめて確認します。

  1. 対応モール・カート:楽天・Amazon・Yahoo!ショッピング・自社カートなど、自社が使う販路をすべて網羅しているか。連携できないチャネルがあると一元化が崩れ、手作業が増えます。
  2. 在庫連携のリアルタイム性:注文・出荷に応じて各モールの在庫がどの間隔で反映されるか。特にセールなどで注文が急増しやすい楽天やAmazon、TikTokShop、Qoo10などは連携間隔が5分程度だと安心です。
  3. 注文処理の自動化範囲:受注の取込だけでなく、出荷指示書の作成まで自動化できるか。この機能があっても実務に使えないレベルであったり、同梱や配送方法の変更などの複雑な出荷指示の自動化ができないと手作業が増えてしまい、意味がなくなります。
  4. 倉庫・出荷への対応:自社倉庫から出荷するなら、バーコード/スキャンによるピッキングなどWMS機能があるか。WMSがなくても出荷作業は可能ですが、出荷の準備やピッキングに時間がかかり、誤出荷リスクも高まります。
  5. 外部システム連携・API:基幹システム・販売管理・物流倉庫(3PL)と連携できるか。卸売やOMS外の業務がある場合に重要です。また、連携のために費用が追加でかかったり、開発が必要になることもあるので、注意が必要です。
  6. 料金・初期費用:初期費用や月額が、見込める費用対効果に見合うか。単に費用の安さで選ぶのではなく、削減できる工数を人件費などで計算し、事業全体を見て判断することが重要です。安いのを選んだ結果、手作業もあまり減らなかったとなると本末転倒です。
  7. サポート・導入支援:要件を相談しながら設定できるか。導入前後のサポートが手厚いほど失敗が減ります。一元管理システムはバックヤード業務のインフラになるため、契約前に検証をしっかりできるものだと安心です。
  8. 拡張性(スケール):出荷件数が伸びても、人員や運用を大きく増やさずに対応できるか。また、上場を視野に入れている場合などはセキュリティ面での問題がないのかも重要です。

押さえておきたい連携ポイント

一元管理の効果は「何と、どこまで連携できるか」で決まります。主要な連携先と確認すべき点を整理します。

連携先連携で実現すること確認すべき点
楽天・Amazon・Yahoo!等のECモール注文の自動取込、在庫の自動反映自社が使う全モールに対応しているか、連携方式(API等)と反映の速さ
ショッピングカート(自社サイト)自社サイトの受注もECモールと同じように一元管理利用中のカートシステムに対応しているか
基幹システム・販売管理売上・在庫データを連携し二重入力をなくすAPI連携やCSV連携の可否、卸売(BtoB)データの扱い
配送会社・送り状システム送り状の自動発行、出荷情報の連携利用中の配送会社・送り状ソフトに対応しているか
物流倉庫・物流代行(3PL)出荷指示の連携、委託先倉庫との連動委託倉庫と連携できるか、システムと倉庫をまとめて相談できるか

受注管理(OMS)と倉庫管理(WMS)が一体になったシステムは、受注側と出荷側のデータ連携の隙間がないため、受注〜在庫〜出荷を途切れさせずに扱える点が強みです。

たとえばLOGILESS(ロジレス)は、受注管理(OMS)と倉庫管理(WMS)を一体で備えたEC向けの一元管理システムで、楽天・Amazon・自社カートなど複数チャネルの受注と在庫を一元管理し、出荷側(自社倉庫、3PLともに)とも自動連携ができるため、ECの受注管理だけでなく、出荷まで含めたバックヤード業務全体を効率化したい事業者にとってはおすすめです。

タイプ別の選び方(状況別の考え方)

自社の体制によって、相性の良いタイプは変わります。

  • 複数モール中心・卸×ECも行う場合:モールと基幹システムの在庫連携、API連携の柔軟さを重視します。楽天等のモールと卸を併用する事業者で、手作業の受発注を週約40時間から約10時間へ削減した事例もあります(東京酒水様)。
  • 自社倉庫から自社出荷している場合:受注〜在庫に加え、倉庫内のピッキングまで標準化できるOMS×WMS一体型が有力です。自社出荷の食品ECで、毎日約2時間かかっていた棚卸しが不要になった事例もあります(東旗様)。
  • 物流代行(3PL)に委託したい場合:システムと委託倉庫を連携できるか、まとめて相談できるかを確認します。毎日1時間以上かかっていた出荷までの作業がほぼゼロになった事例もあります(newn様)。

いずれのケースでも、受注・在庫・出荷を1つのシステムに集約したことで、ECのバックヤード業務の効率化を実現しています。

導入を検討すべきサイン

次のいずれかに当てはまるなら、検討のタイミングです。

  1. 楽天・Amazonなど複数モールの在庫を手作業で合わせている
  2. 受注処理に毎日まとまった時間がかかり、誤出荷も起きている
  3. 在庫ズレ・売り越し・欠品が発生している
  4. 特定の担当者しか出荷できない(属人化している)
  5. セールや繁忙期に出荷が回らない
  6. 将来的にEC事業を伸ばしたいと思っている

よくある質問(FAQ)

EC一元管理システムと受注管理システムの違いは何ですか?

「受注管理システム」は注文の取込から出荷指示までを担うシステムを指します。EC一元管理システムはそれに在庫管理や倉庫・出荷、各種連携を加え、受注から出荷までを横断的に一元化する点が異なります。

楽天とAmazonの在庫はまとめて管理できますか?

対応モールを網羅したシステムであれば、楽天・Amazon・自社サイトの在庫をリアルタイムに同期して一元管理できます。これにより、どこで売れても在庫数が揃い、売り越しを防げます。

注文処理はどこまで自動化できますか?

システムにもよりますが、複数モールの注文の自動取込から、在庫引当、出荷指示までを自動化できるものが多くあります。手作業を減らすには、受注取込だけでなく出荷指示まで自動化できるかを確認してください。

導入の費用と期間の目安は?

料金体系や初期費用、導入期間はサービスによって大きく異なります。初期費用の有無や導入支援の手厚さは導入ハードルに影響するため、見積もり時に確認することをおすすめします。

物流代行(3PL)を使っていても導入できますか?

委託倉庫と連携できるシステムであれば導入できます。システムと物流倉庫をセットで相談できるサービスもあり、出荷を委託しながら受注・在庫を一元管理できます。LOGILESS(ロジレス)は既に300以上の倉庫事業者も使っているシステムであり、LOGILESSの導入はもちろん、既に使える倉庫の紹介も無料で行っています。

小規模でも導入する意味はありますか?

複数モールを運営している、または出荷の属人化やミスに悩んでいるなら、規模が小さくても効果が見込めます。早い段階で仕組み化しておくと、出荷件数が増えても運用を大きく増やさずに済むため、今は小規模であっても、将来大きくする目標があるかどうかも判断軸になります。

参考文献・出典

この記事を書いた人

ロジレス編集部

ロジレス編集部は、EC事業者・倉庫事業者さまに向けて業務改善や売上拡大のヒントをお届け。 システムの効果的な活用方法から業界ニュースまで、現場目線で情報を発信しています。

※掲載内容は執筆時点の情報に基づいており、正確性や最新性を保証するものではありません。内容が誤っている可能性もありますので、あらかじめご了承ください。

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