ODMとは?OEMとの違いやメリット・デメリットをわかりやすく解説

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「ODMとOEMって何が違うの?」と迷う方は多いのではないでしょうか。この記事では、ODMの基本的な意味から、OEMとの具体的な違い、メリット・デメリット、メーカーの選び方までわかりやすく解説します。

この記事の結論

  • ODMとは、商品の設計から製造まで受託側が一貫して担う生産方式である
  • OEMは委託側が設計を行い、受託側は製造のみを担当する点でODMと異なる
  • 設計ノウハウが社内にない場合はODM、品質・仕様を自社でコントロールしたい場合はOEMが向いている
もくじ

ODMとは?基本的な仕組みと活用業界

ODMの定義と、どのような業界で活用されているかを見ていきましょう。。

定義と基本的な仕組み

ODM(Original Design Manufacturing)は、受託側のメーカーが委託側の要望に基づいて、商品の設計から製造までを一貫して行う生産方式です。なかには、マーケティングや販売・流通といった幅広い業務まで受け持つODMメーカーも存在します。

自社に専門的な知見や製造設備がない企業でも、オリジナル商品を市場に送り出せることから、幅広い業界で採用されています。

どんな業界で活用されているか

ODMが特に浸透しているのが化粧品業界です。開発・設計の段階からODMメーカーと協業できるため、異業種からの参入企業や製造経験がない企業でも、高品質な商品の開発が可能です。

矢野経済研究所の調査(2025年7月発表)によると、2024年度の化粧品受託製造市場(事業者売上高ベース)は前年度比2.6%増の3,547億円となり、2025年度は前年度比2.0%増の3,619億円への増加が予測されています。

OBM・EMSとの違い

ODMに似た概念として、OBMとEMSがあります。OBMは設計・製造・ブランドを自社が一貫して保有する方式で、ブランド名も自社のものになる点がODMと異なるでしょう。

EMSは主に電子機器向けの製造委託であり、委託側が仕様を提供し、受託側は部品調達から実装・検査といった製造工程に特化する形態です。

用語設計製造ブランド
OEM委託側受託側委託側
ODM受託側受託側委託側
OBM自社自社自社
EMS委託側受託側(電子機器特化)委託側

OBMは自社ですべてを完結させる形態であるため、ODMやOEMとは根本的に性質が異なります。自社にブランド力と製造力の両方がある場合に成立する方式です。

OEMとODMの違い|設計の主導権がポイント

OEMとODMの違いを、役割分担と現状の観点から解説します。

最大の違いは「設計の主導権」

OEMとODMを分ける最大のポイントは、商品の設計・開発を行うのが委託側か受託側かという点です。OEMでは委託側が詳細な仕様を策定し、受託側のメーカーはその仕様に基づいて製造を担います。

ODMでは、設計・処方開発の段階から受託側と委託側が協業して進めるため、委託側は商品コンセプトを伝えるだけで開発が進む仕組みです。

役割分担の比較

比較項目OEMODM
企画・コンセプト委託側委託側または受託側
設計・処方開発委託側受託側
製造受託側受託側
ブランド名委託側委託側
ノウハウの蓄積先委託側受託側
向いているケース設計・技術力がある企業設計・技術力がない企業

設計段階から委託したい場合はODM、製造工程のみを外部に任せたい場合はOEMが適しています。 OEMは製造工程の一部を生産者が担うのに対し、ODMは設計から製造までの全プロセスを生産者が担う点が大きな違いです。

境界線が曖昧になりつつある現状

近年、OEMとODMの線引きは曖昧になりつつあります。ODM対応が可能なメーカーはOEMにも対応できるケースが多い一方、OEM専業メーカーが商品開発や処方開発まで請け負うケースは限られます。

委託先を選ぶ際は、名称だけで判断せず「どの工程まで対応可能か」を直接確認することが確実です。

ODMのメリット・デメリット

ここでは、ODMを活用する際のメリットとデメリットについて見ていきましょう。

メリット:設備もノウハウもなくても商品化できる

ODMの代表的なメリットは、製造技術や開発ノウハウがなくても、ODMメーカーの主導のもとで商品を作れる点です。設備投資や研究開発費を抑えられるため、スタートアップや異業種からの新規参入でも市場に参入しやすくなるでしょう。

開発から製造までの工程をODMメーカーが主導するため、委託側は販促・マーケティングなどのコア業務にリソースを集中できます。

メリット内容
設計コスト削減設計・処方開発を受託側が担うため、設計費用が不要
開発期間短縮受託側のノウハウを活用することで市場投入までの期間を短縮
リソースの最適配分販促・マーケティングなどに人材と予算を集中できる
法規対応化粧品製造許可など専門的な法規知識が不要になる場合がある

化粧品を例にとると、製造・販売には「化粧品製造業許可」や「化粧品製造販売業許可」が必要です。これらを保有していない企業でも、ODMメーカーへの委託を通じてオリジナル商品を販売できるでしょう。

デメリット:ノウハウが社内に残らない

ODMの主なデメリットは2点あります。1点目は、開発・設計を受託側に委ねる分、自社内に技術やノウハウが蓄積されにくいことです。

2点目は、商品の価格や利益率をコントロールしにくくなる点です。自社製造と比べて販売原価が高くなる傾向があり、十分な予算がなければ費用負担が増えるリスクもあります。

デメリット内容
技術蓄積の欠如製品開発の知見が社内に残りにくい
価格コントロールの難しさ受託側の原価変動が販売価格に影響しやすい
メーカー依存のリスク特定のODMメーカーへの依存度が高まりやすい
ブランドイメージの管理設計を受託側に委ねすぎると、ブランドの独自性が薄れる可能性がある

これらのリスクを軽減するには、技術力と信頼性を兼ね備えたODMメーカーを慎重に選ぶことが前提となるでしょう。

OEMとは?ODMとの違いを簡潔に解説

OEMの基本とメリット・デメリットを簡潔に解説します。

OEMの基本とメリット・デメリット

OEM(Original Equipment Manufacturing)は、委託側が商品の企画・設計を行い、受託側のメーカーがその仕様に基づいて製造する方式です。日本語では「相手先ブランドによる製造」と訳されます。

OEMの主なメリットは、製造設備を持たずに自社ブランド商品を作れる点にあります。自社で質の高い商品を生産する場合、人件費・光熱費・設備投資など多大なコストがかかりますが、OEMを活用することでこれらを大幅に抑えられるでしょう。

デメリットとして挙げられるのは、製造工程を外注する形になるため、自社の技術力が育ちにくい点です。また、継続的な外注費用が発生するため、原材料費の高騰が生じた際には確保できていた粗利が圧迫されるリスクがあります。OEMメーカーへの過度な依存を避け、自社の技術力を高める取り組みを並行して進めることが必要です。

OEMとODMの選び方|状況に合わせた判断基準

自社の状況に合った製造委託の形態を選ぶための基準を見ていきましょう。

判断の基準となる3つのポイント

OEMとODMのどちらを選ぶかは、自社の状況によって異なります。 以下の3点を基準に整理すると判断しやすくなります。

設計・開発のリソースがあるか

設計ノウハウが社内にある場合はOEM、ない場合はODMが現実的です。

コスト優先か、品質管理優先か

設計ごとコストを抑えたいならODM、仕様の細かい管理を優先するならOEMが向いています。

市場投入スピードを重視するか

開発工程ごとODMメーカーに委ねることで、短期間での商品化が可能です。

ODMメーカーを選ぶ際の5つのポイント

ODMメーカーの選定で押さえておきたい5つのポイントをまとめました。

選定ポイント確認すべき内容
生産品質の水準過去の製品を実際に取り寄せて品質を確認する
開発・製造実績自社が作りたい商品カテゴリでの実績があるか
コンセプト設計への関与商品コンセプトの段階からサポートしてくれるか
海外展開への対応将来的な輸出・海外販売に対応しているか
長期的な関係性意思疎通がスムーズで、信頼関係を築けそうか

コンセプト設計からサポートしてくれるODMメーカーを選ぶと、業界経験が浅い企業でも市場ニーズを捉えた商品を開発しやすくなります。生産品質の確認は、公式サイトの掲載情報に加えて、実物を取り寄せて確かめることが確実です。

ODMでオリジナル商品を作る流れ

ODMで商品開発を進める際の標準的なプロセスを解説します。

商品開発の8つのステップ

ODMで商品開発を進める際の標準的なプロセスは以下の通りです。

  1. 初回打ち合わせ(商品イメージ・ロット数・スケジュールの確認)
  2. 処方開発・デザイン・仕様確定
  3. 試作・容器選定・仕様選定
  4. 仕様決定・概算見積もり
  5. 処方・容器の決定と最終見積もり
  6. 試験・各種申請(安定性試験・薬事校正など)
  7. 製造・納品
  8. アフターフォロー

資材の納期により変動しますが、発注書の提出から納品まで概ね3か月~3.5か月程度が目安となります。各工程でODMメーカーとのコミュニケーションを密に取ることが、完成度の高い商品を生み出す鍵となります。

まとめ

ODMは商品の設計から製造まで受託側が一貫して担う方式で、OEMは設計を委託側が行い製造のみを受託側が担う点が大きな違いです。設計ノウハウや製造設備を持たない企業には、ODMが参入ハードルを下げる手段として機能します。化粧品業界では2024年度の受託製造市場が3,547億円に達し、ODMの活用が広がっています。自社のリソースや目指すブランドの方向性を整理したうえで、状況に合った製造委託の形態を選ぶことが、商品開発を成功に導く第一歩です。

この記事を書いた人

ロジレス編集部

ロジレス編集部は、EC事業者・倉庫事業者さまに向けて業務改善や売上拡大のヒントをお届け。 システムの効果的な活用方法から業界ニュースまで、現場目線で情報を発信しています。

※掲載内容は執筆時点の情報に基づいており、正確性や最新性を保証するものではありません。内容が誤っている可能性もありますので、あらかじめご了承ください。

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