通販とは?意味・仕組みから種類・法律・注意点まで徹底解説

  • URLをコピーしました!

「通販で買い物をしたいけれど、ECサイトや通信販売との違いがよくわからない」と感じる方は多いでしょう。本記事では、通販の基本的な定義・仕組み・種類・関連する法律・利用時の注意点まで幅広く解説します。 

この記事の結論

  • 通販とは「通信販売」の略で、電話・インターネット・カタログなど幅広い通信手段を使った販売形態の総称
  • ECはインターネットを使った取引に限定されており、通販の一形態に位置づけられる
  • 2024年の日本のBtoC-EC市場規模は26兆1,225億円(前年比5.1%増)で、スマートフォン経由の購買が市場をけん引している
もくじ

通販とは?基本的な定義とECとの違い

通販の定義とECとの関係性を解説します。

通信販売の基本的な定義

通販とは「通信販売」を短縮した言葉です。消費者庁の特定商取引法ガイドによると、通信販売とは「事業者が新聞、雑誌、インターネット等で広告し、郵便、電話等の通信手段により申込みを受ける取引」と定義されています。

店舗に足を運ぶことなく、何らかの通信手段を介して商品やサービスを購入する取引形態全般を指す言葉です。特定商取引法の対象となる通信販売は、物品の販売のほか、施設利用・役務提供にかかる権利の販売や、各種役務(サービス)の提供なども含まれます。事業者が広告を出し、消費者が郵便・電話・ファクシミリ・インターネット等を通じて申込みを行う取引であれば、幅広く「通信販売」として扱われるでしょう。

通販とECの違い

通販とECは同じ意味として使われる場面がありますが、厳密には異なります。

項目通販(通信販売)EC(電子商取引)
定義あらゆる通信手段を使った販売形態全般インターネット上の電子的な商取引
使う手段電話・FAX・カタログ・テレビ・インターネット等インターネットのみ
テレビショッピング、カタログ通販、ネット通販楽天市場、Amazon、自社ECサイト等

ECはインターネットという手段に限定されているのに対し、通販はより広い概念です。「ECは通販の一形態」と整理するのが正確な捉え方です。

通販の歴史|明治時代から現代まで

ここでは、日本における通販の歴史的な変遷を解説します。

日本の通販の始まり

日本における通販の歴史は、明治時代まで遡ります。 1876年(明治9年)に農学者の津田仙が『農業雑誌』(学農社雑誌局発行)にアメリカ産トウモロコシの種(玉蜀黍)を掲載して販売しました。

その後、1899年(明治32年)には三井呉服店(現・三越伊勢丹ホールディングス)と高島屋が相次いで通販事業を開始し、百貨店が通販の普及を牽引しました。

ネットショップ担当者フォーラム

カタログからインターネットへの変遷

戦後になるとカタログ通販が普及し、消費者が自宅にいながら商品を選べる環境が整っていきました。その後テレビショッピングが登場し、映像を通じた商品訴求が可能です。

1990年代以降はインターネットの普及に伴いネット通販(EC)が急速に広がり、現在に至る通販文化の土台が形成されました。

市場規模の拡大

経済産業省が2025年8月26日に公表した「令和6年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」によると、2024年の日本国内BtoC-EC市場規模は26兆1,225億円(前年比5.1%増)に達したそうです。

内訳は、物販系分野が15兆2,194億円(前年比3.70%増)、サービス系分野が8兆2,256億円(前年比9.43%増)、デジタル系分野が2兆6,776億円(前年比1.02%増)となっています。

通販の種類|媒体・取引相手・運営形態別

ここでは、通販の種類を複数の観点から見ていきましょう。

媒体・手段による分類

通販はどの手段を使うかによって、いくつかの種類に分けられます。

種類概要主な例
ネット通販(EC)インターネット上で商品・サービスを購入する形態楽天市場、Amazon
カタログ通販印刷物を通じた注文(電話・FAX・郵送等)セシール、ニッセン
テレビ通販テレビ放送で商品を紹介し注文を受ける形態ショップジャパン等
電話・FAX通販電話またはFAXで注文を受ける形態各種定期購入サービス等

現在の主流はネット通販ですが、テレビ通販やカタログ通販は高齢者層を中心に根強く利用されているのです。

BtoC・BtoB・CtoCの違い

ECには、取引相手によって複数の種類があります。

BtoC-EC(Business to Consumer)

事業者と一般消費者の間の取引です。楽天市場やAmazon、ZOZOTOWNなどが代表例で、2024年の市場規模は26兆1,225億円となっています。

BtoB-EC(Business to Business)

企業間の取引で、原材料・オフィス用品・機器などが主な対象です。 2024年のBtoB-EC市場規模は514兆4,069億円(前年比10.6%増)で、EC化率は43.1%に達しているのです。

CtoC-EC(Consumer to Consumer)

消費者同士の取引で、フリマアプリやネットオークションが代表例です。2024年のCtoC-EC市場規模は2兆5,269億円(前年比1.82%増)となっています。

単品通販と総合通販の違い

ネット通販の運営形態としては、単品通販と総合通販の2つがあります。

種類特徴強み
単品通販1種類または限られた商品に特化専門性を打ち出しやすく、顧客満足度を高めやすい
総合通販幅広いジャンルの商品を取り扱い一度の買い物で複数カテゴリをまとめて購入できる

単品通販は専門性が高い反面、取扱商品の需要が落ちると売上への影響が大きくなるリスクです。総合通販はまとめ買いによる送料節約などの利便性がある一方、商品管理の手間が増える傾向があります。

通販の仕組みと流れ|購入から配送まで

ここでは、ネット通販の基本的な仕組みと最新動向について見ていきましょう。

購入から配送までのステップ

ネット通販の基本的な購入フローは、以下の順序で進みます。

  1. 通販サイトやECモールで商品を検索・閲覧
  2. 商品を選択し、カートに追加
  3. 氏名・住所など配送先情報を入力
  4. 支払い方法を選択し、注文を確定
  5. 事業者から注文確認メールが届く
  6. 商品が発送・配送される
  7. 商品を受け取り、内容を確認する

このプロセスはインターネット上でほぼ完結するため、24時間いつでも注文できる点が実店舗との大きな違いです。

モール型と自社サイト型

通販サイトの運営形態には、「モール型」と「自社サイト型」の2種類があります。

項目モール型自社サイト型
集客力モール自体の知名度で集客しやすい独自のSEO・広告施策が必要
デザイン自由度制限がある高い
コスト販売手数料・出店費用が発生構築・運営コストが自社負担
競合との関係価格競争が起きやすい独自性を打ち出しやすい

モール型は楽天市場やAmazonのような大型プラットフォームへの出店が代表的で、既存のユーザー基盤を活用できます。自社サイト型はブランドイメージの構築に適しており、顧客データを自社で管理・活用できる点が強みです。

スマートフォン経由の購買拡大

現在のネット通販において、スマートフォンの存在感は急速に高まっています。2024年の物販系分野に占めるスマートフォン経由の割合は61.7%で、前年から3.0ポイント上昇しています。

スマートフォン経由の市場規模は前年比9.0%増の9兆3,904億円に達しており、パソコン経由のEC市場が前年比3.78%減となる中、スマートフォンが物販系EC市場全体をけん引していることが鮮明です。

通販に関わる法律と消費者保護

特定商取引法を中心に、通販における法規制を解説します。

特定商取引法による広告・表示規制

通販事業者には、特定商取引法に基づく広告表示義務があります。具体的には、販売価格(送料を含む)・代金の支払時期と方法・商品の引渡時期・返品に関する事項・事業者の氏名や住所・電話番号などを、広告内に表示することが必要です。

インターネット通販の場合は、注文確定前の最終確認画面でもこれらの事項を表示することが法律上定められています。

返品・解除に関する民事ルール

通販には、訪問販売のような法定のクーリング・オフ制度(無条件での契約解除権)は定められていません。ただし、特定商取引法の民事ルールとして、商品受取日から8日以内であれば、消費者の送料負担による返品・契約解除が原則として認められています。

もっとも、事業者があらかじめ広告で返品特約を表示している場合は、その特約の内容が優先されます。

消費者が注意すべきポイント

通販を安全に使うためには、購入前に以下の点を確認することが大切です。

  • 事業者の氏名・住所・電話番号が明記されているか
  • 返品特約の内容(返品可否・期間・送料負担の有無)
  • 支払方法と代金の請求時期
  • 定期購入などの契約継続条件

特に定期購入契約は、2回以上の継続締結が必要な場合、その条件の表示が法律上義務付けられています。購入前に表示内容をしっかり確認することで、思わぬトラブルを防げるでしょう。

通販を利用するメリットとデメリット

ここでは、消費者と事業者の双方の視点について見ていきましょう。

消費者にとってのメリット

通販の利便性は、日常の買い物における手間を大きく減らす点にあります。

  • 店舗へ出向く必要がなく、自宅や外出先から注文できる
  • 24時間365日、好きな時間に購入できる
  • 全国・海外の商品を取り寄せられる
  • 複数のサービスで価格を見比べやすい
  • 重い荷物を自分で運ばずに済む

スマートフォンの普及により、移動中や就寝前でも手軽に注文できる環境が整っており、EC化率は今後も上昇が見込まれるでしょう。

消費者にとってのデメリット

一方で、通販には実店舗にはない注意点もあります。

  • 商品を実際に手に取って確認できない
  • 配送に時間がかかる(即日入手が難しい場合がある)
  • 画像と実物の色・質感が異なるケースがある
  • 返品・交換の手続きに手間と費用がかかる場合がある

これらの点は、商品ページの写真や説明を丁寧に確認したり、返品特約を事前に把握したりすることで、ある程度リスクを軽減可能です。

事業者にとってのメリット

事業者の観点からも、通販(EC)に参入するメリットは複数あります。

  • 実店舗と比べて固定費を抑えながら販売できる
  • 全国規模の顧客獲得が可能
  • 受発注・在庫管理のデジタル化が進めやすい
  • 営業時間に制約なく販売を続けられる

ただし、競合が多いモール型では価格競争に巻き込まれやすい点や、配送コスト・返品対応のオペレーションが必要になる点は、事前に想定しておく必要があるでしょう。

まとめ

通販は「通信販売」の略で、電話・カタログ・テレビ・インターネットなど幅広い通信手段を使った販売形態の総称です。ECはその中でもインターネットを使った取引に限定される概念で、現在の通販市場の中核を担っています。2024年の日本のBtoC-EC市場は26兆1,225億円(前年比5.1%増)で、スマートフォン経由の購買が全体の61.7%を占めるなど、通販はますます日常的な購買手段として定着しています。利用にあたっては、特定商取引法に基づく表示を確認し、返品特約・支払条件・定期購入の有無を事前に把握することが安全な買い物につながるでしょう。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
もくじ