OMS・WMS一体型とは?メリット・デメリットも解説
OMS・WMS一体型とは、受注管理システム(OMS)と倉庫管理システム(WMS)を1つのシステムに統合し、受注・在庫・出荷に関するデータを1つにまとめて管理する仕組みです。(この考え方は、専門的には「シングルソースオブトゥルース(SSOT)」とも呼ばれます。)OMSとWMSの間でデータを受け渡す連携作業が発生せず常に1つのデータで受注から出荷ステータスまで管理できるのが特徴です。一方で、別々の会社が提供しているOMSとWMSを組み合わせて使う方法(以下、連携型)も多く採用されています。
なお、OMSとWMSそれぞれの役割や、必要性については「OMSとWMSの違いとは?EC事業者に両方必要な理由」で詳しく解説しています。本記事では、その先にある「一体型を選ぶべきか、連携型にすべきか」という論点に絞って整理します。

OMSとWMSの役割
OMSは、複数のECモール・カートから入る注文情報を一元管理し、受注確認から出荷指示までを担う「受注管理システム」です。WMSは、入荷・保管・ピッキング・検品・梱包・出荷といった倉庫内作業を管理する「倉庫管理システム」です。この2つを組み合わせる方法には、①別々の製品を選びAPI連携でつなぐ方法(連携型)と、②最初からOMS・WMSが一体化されたシステムを使う方法(一体型)があります。LOGILESSは②の一体型に当たるシステムです。

OMS・WMS一体型とは
OMS・WMS一体型とは、ECの受注管理を行うOMSと、倉庫内の在庫・出荷作業を管理するWMSを、1つのシステムでまとめて管理できる仕組みです。
通常、OMSとWMSが別々のシステムの場合、受注データ、出荷指示、在庫情報、出荷実績をCSVやAPIで連携する必要があります。もちろん、これでも問題ないことがほとんどですが、データ連携に時間がかかったり、一部のデータが連携できないなどの問題が発生する場合があります。それぞれのシステムでデータを持っており、それらを連携されているためです。
一方、OMS・WMS一体型では、受注から在庫引当、出荷指示、倉庫作業、出荷完了までを同じ1つのデータ上で管理できます。そのため、システム間のデータ連携作業が発生せず、常に1つの正しいデータをもとに、EC側も出荷側も運用を行うことができます。
一体型と連携型の比較
一体型と連携型はどちらかが優れているわけではなく、様々な観点でメリットとデメリットを比較する必要があります。以下は、実務上ぶつかりやすい観点ごとに、条件によって差が縮まる点・自動的には解決しない点をあわせて整理したものです。
| 観点 | OMS・WMS一体型(LOGILESSなど) | 連携型(別々のOMS・WMSをAPI連携) |
|---|---|---|
| データ連携 | 受注・在庫・出荷のデータを1つにまとめて管理するため、連携という工程自体が発生しない | CSVやAPIでの連携が必要。APIなどを通じたリアルタイム連携であれば反映の遅れは縮められるが、連携という工程自体はなくならない |
| 対応できる自動化ルールの幅 | 受注側・出荷側双方の情報を踏まえた条件分岐を1つのルールエンジンで組みやすい。 | OMS・WMSそれぞれの機能次第。連携APIが対応していない条件分岐は、手作業での補完が必要になることがある |
| 障害発生時の影響範囲 | 単一システムのため、障害時は受注・出荷の両方に影響が及ぶ可能性がある | 一方に障害が起きても、もう一方は独立して稼働を続けられる可能性がある |
| 新規導入・切り替えの負荷 | 連携設定の工程がない分、新規導入の立ち上げは早めやすい。ただし既存のOMS・WMSを使い込んでいる場合、乗り換えはOMS・WMSの両方が対象になる | 新規導入時はOMS・WMSそれぞれの設定に加え、連携設定・連携テストの工程が増える。一方、乗り換えはOMS・WMSを個別に検討できる |
| 費用構造 | 製品によって異なり、一体型だから必ず安いとは限らない。 (LOGILESSの場合、月額利用料にWMS使用料も含まれており、別途WMS費用は発生しない) | OMS・WMSそれぞれの初期費用・月額費用に加え、連携ツール側の費用が別途かかる場合がある |
| CS対応時の状況確認 | 受注情報と出荷ステータスを同じデータ上で確認しやすいため、キャンセル・返品・交換の対応もしやすい | OMS側とWMS側で確認先が分かれたり、システム間の連携間隔が長い場合は出荷済みなのかどうかの判断に直接確認が必要になりやすい |
一体型のメリット
一体型を選ぶ理由は、大きく3点に整理できます。
1. 受注・在庫・出荷のステータスを1つのデータで管理・運用できる
一体型の最大のメリットは、受注・在庫・出荷のデータを1つにまとめて管理できることです。 連携型では、受注データ・出荷指示・在庫情報・出荷実績・送り状番号などをシステム間で受け渡す必要があり、CSV加工や連携エラーの確認、「どちらのデータが正しいか」の切り分けといった作業が発生する場合があります。一体型ではデータが最初から1つしかないため、この受け渡し作業自体が発生しません。もちろん、データが1つということはOMS・WMS間の連携作業が不要というのもメリットです。
2. 受注側と倉庫側をまたぐ自動化ルールを組みやすい
受注時に入力された情報を、倉庫側の作業指示にそのまま反映する自動化ルールを組みやすくなります。 LOGILESSには「受注伝票のマクロ」という機能があり、たとえば購入者の備考欄に「ラッピング」という文言が含まれる注文は出荷指示書の特記事項へ自動で転記したり、お届け先の都道府県に応じて出荷元倉庫を自動で変更したりする設定ができます。連携型の場合、こうした受注側の情報を倉庫側の指示に反映するには、システムをまたぐ連携の仕組みを別途用意する必要があります。
3. 受注側と倉庫側で矛盾した操作が起きにくい
LOGILESSでは、配送ステータスが「出荷作業中」になると、マーチャント(受注側)は受注情報を変更できなくなる仕組みになっています。 これにより、出荷作業が進んでいる注文をマーチャント側がうっかり変更してしまう、といった競合を防げます。マーチャントとオペレーターの画面が分かれていても、こうした制御をリアルタイムにかけられるのは、データが単一のシステム内で管理されているからこそです。3PLに委託している場合も、委託先が同じ一体型プラットフォームを使っていれば、この受注側・倉庫側の情報がシステム間の受け渡しを介さずにそのままつながる利点があります。
一体型のデメリット・留意点
一体型は連携の手間を減らせる一方、検討時に留意しておきたい点が4つあります。
1. 今使っているOMSから乗り換えるのが前提
既にOMSを使っている場合、乗り換えるのが基本になります。一体型の場合、他のOMSとの連携を想定していないため、公式に連携していない場合がほとんどだからです。実際に弊社のLOGILESSはBOSSとの連携はできるもののそれ以外のOMSやWMSとのAPI連携には公式には対応しておりません。(一部事業者様によってはAPI連携を開発したり、CSVによる連携をしているケースはございます。)
2. 委託先倉庫によっては利用できない可能性も
保管や出荷業務を委託する物流代行業者(3PL)によっては、指定のWMSとの連携しか対応していないというケースがあります。その場合、その指定するWMSに対応しているOMSしか選べない可能性があります。ちなみにLOGILESSは400以上の物流倉庫で利用が可能であり、LOGILESS導入済みの倉庫を無料で紹介できるほか、自社倉庫を含め、新たに導入をご検討の際は伴走支援をしますので、お気軽にお問い合わせください。
3. 単一ベンダーへの依存
単一システムであるため、障害が起きた際に受注側・倉庫側の業務が同時に止まるリスクが0であるとは言い切れません。連携型であれば、一方に障害が起きてももう一方は独立して稼働を続けられる可能性があります。しかし、連携型の場合、そもそもどちらのシステムで障害が起きたのか、何かのアップデートのせいで反映されなくなってしまったなど原因の特定や解決に時間がかかるケースもあるため、一長一短の部分かと思います。システム障害が発生した際のバックアップなどがあるかどうかを事前に各社に問い合わせることをおすすめします。
一体型が向いている企業・向いていない企業
「受注から出荷までの業務全体を標準化・自動化したい企業」や、「複数モールの受注管理と出荷業務の両方に課題を感じている企業」には、一体型の検討価値が高くなります。3PLに委託している場合も、委託先が同じシステムを採用していれば、連携の手間を減らし、コミュニケーションを円滑に取れる利点があります。
一方、「既存のOMS・WMSをすでに使い込んでいる企業」、「倉庫現場に専業WMSでなければ対応できない特殊要件がある企業」、「委託先が指定するWMSを変更できない企業」では、連携型のほうが適している場合があります。
判断すべきは、システム単体の機能や月額費用だけでなく、連携・運用にかかる工数や、障害時にどこまでの影響を許容できるかまで含めた総合的な比較です。
なお、一体型・連携型のどちらを選ぶ場合でも、「どの業務を自動化し、どの業務を人が確認するか」「荷主と倉庫の役割分担をどう決めるか」といった業務ルールの整理は必要です。これは一体型固有の作業ではなく、システム構成によらずEC事業者に共通する準備です。
LOGILESSにおける一体型の実装
LOGILESSは、OMSとWMSが一体型のシステムとして、受注から出荷までの業務を強力に自動化します。特徴的なのが、比較表・メリットのセクションで触れた「もし〇〇なら、□□する」というマクロ機能で、同梱指示や配送方法の最適化、確認待ちの判定など、ショップごとに異なる個別ルールに対応できる点です。一体型であることで発生しない連携作業の分、こうした自動化ルールの設計に工数を充てられる点も、一体型ならではの利点だと考えています。また、WMSの利用料が別途発生せず、初期費用も発生しないため、OMSとWMSの連携型に比べてトータルコストが低くなるケースも多々あります。
実際にLOGILESSを導入いただいた事業者様のほとんどは「OMSとWMSが一体型」というのが決め手で選んでいただいております。「2つのシステムを繋ぐよりは一体型の方が良いだろう」という興味からお問い合わせいただき、1ヶ月の無料検証を経て、しっかりと一体型ならではのメリットを実感されるケースも多いです。詳しくは弊社の導入事例ページよりご確認いただけますと幸いです。
よくある質問
まとめ
OMS・WMS一体型は、受注・在庫・出荷のデータを1つにまとめて管理する仕組みです。そのため、OMSとWMSの間でデータを受け渡す連携作業も発生しなくなります。受注側・倉庫側をまたぐ自動化ルールを組みやすく、CS対応や荷主・倉庫間のやり取りもスムーズになります。一方で、他のOMSやWMSとの連携ができない場合があります。その点、連携型であれば、使いたいOMSを軸に、WMSを選び、合わなければ別のWMSとの連携を検討するということも可能な利点があります。
LOGILESSは、OMSとWMSが一体型のシステムであり、WMS機能はOMSの月額利用料に含まれるため別途費用は発生しません。また、OMS側の機能についても、複数ECの受注処理はもちろん、同梱対応や配送方法最適化など複雑な出荷指示もマクロ機能で自動化できるのが強みです。自社出荷はもちろん、LOGILESSを導入済みの3PL事業者に委託する場合にも活用いただけます。(無料で紹介も可能です。)1ヶ月間の無料テストアカウントもご利用いただけますので、ぜひ一度お気軽にお問い合わせください。